令和3年4月1日

令和3年度 奈良市立伏見中学校いじめ防止基本方針

                           学 校 名   奈良市立伏見中学校

                           学 校 長    林 田 晃 典 

 

1 いじめに対する考え方

 

 (1) いじめの定義について

 

    「いじめ防止対策推進法第2条」(平成25年法律第71号)に基づき、「いじめ」とは、生徒等に対

    して、当該生徒等が在籍する学校に在籍している等当該生徒等と一定の人間関係にある他の生徒等が

    行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む)であって、

    当該行為の対象となった生徒等が心身の苦痛を感じているものをいう。 

   

 (2) いじめに対する理解について

    

     いじめは、どの子どもにも、どの学校でも、起こりうるものである。とりわけ、嫌がらせやいじわ

    る等の「暴力を伴わないいじめ」は、多くの生徒が入れ替わりながら被害も加害も経験する。「暴力を

    伴わないいじめ」であっても、「暴力を伴ういじめ」ととも に、生命又は身体に重大な危険を生じさせ

    うる。さらに、いじめは、行われた回数にかかわらず、たとえ1回であっても生命又は身体に深刻な

    影響を与えることがあることを留意する必要がある。国立教育政策研究所によるいじめ追跡調査(2)

    の結果によれば、暴力を伴わないいじめ(仲間はずれ・無視・陰口)について、小学校4年生から中

    学校3年生までの6年間で、被害経験を全く持たなかった生徒は1割程度、加害経験を全く持たなか

    った生徒も1割程度であり、多くの生徒が入れ替わり被害や加害を経験している。加えて、いじめの

    加害・被害という二者関係だけでなく、学級や部活動等の所属集団の構造上の問題、「観衆」として

    はやし立てたり面白がったりする存在や、周辺で暗黙の了解を与えている「傍観者」の存在にも注意

    を払い、集団全体にいじめを許容しない雰囲気が形成されるようにすることが必要である。  

  

(3) いじめの認知についての考え方について

 

    いじめの認知については、特定の教職員で判断することなく、いじめ防止対策推進法第22条の

   「学校におけるいじめの防止等の対策のための組織」を活用し、以下の点に注意を払い、認知していく。

    ・ いじめられた生徒本人や周辺の状況等を客観的に確認する。

    ・ 表面的・形式的に判断せず、背景調査を適切に行う。

    ・ いじめられていても、本人がそれを否定する場合があることを踏まえ、生徒 の表情や様子をきめ

     細かく観察するなどして確認する。

    ・ 被害者の救済を最優先するために,被害感情を重視する定義とした法の趣旨を踏 まえ、いじめら

     れた生徒の感じる被害感情に着目して見極める。 (例:外見的にはけんかやふざけ合いに見える場合。

     好意から行った行為が思わず、 心身の苦痛を感じさせてしまったような場合など)

    ・ いじめには多様な態様があることに鑑み,「心身の苦痛を感じているもの」との要件が限定して解

     釈されることがないように努める。

    ・ 本人が苦痛を感じていなくても、状況からいじめと判断する場合もある。(例:インターネット上

     で悪口を書かれた生徒がそのことを知らずにいるような場合。)  

 

(4) いじめに対する教職員の基本姿勢について

 

    「いじめを絶対に許さない」学校・学級づくりへの共通理解・実践

     ・ 意欲的に学び、わかる授業づくりのために、教材の開発、工夫に努め、授業力の向上を図る。

     ・ コミュニケーション能力を向上させ、ともに学び、支えあい、助けあう集団づくりに取りくむ。

     ・ いじめ問題に対する意識を高めるための研修を行う。

 

    特に配慮が必要な児童生徒への対応

     ・ 発達障害を含む、障害のある生徒

     ・ 海外から帰国した生徒や外国人の生徒、国際結婚の保護者を持つなど外国につながる生徒

     ・ 言語や宗教等の文化的な背景をもつ生徒

     ・ 性同一性障害や性的指向・性自認に係る生徒

     ・ 東日本大震災により被災した児童生徒又は原子力発電事故により避難している生徒

 

      上記の生徒を含め、学校として、特に配慮が必要な生徒については、日常的に、当該生徒の特性

     を踏まえた適切な支援を行うとともに、周囲の生徒に対する必要な指導を組織的に行うよう努める。

 

(5) 理想とする生徒像

 

     いじめのない、明るく楽しい学級づくり 

     ~ 伏見中学校生であることに自信と誇りをもてるように~

    ・ 気持ちのよいあいさつをする。

    ・ 正しく適切な言葉づかいをする。

    ・ 勉強やスポーツ、文化活動に一生懸命取りくむ。

     ・ 互いのよいところを見つけ、認めあうことで信頼し、助けあえる人間関係をつくる。

     ・ いやなことは「やめて」とはっきり断る、いじめられているのを見かけたら誰か(大人)に

      知らせる。

     ・ 生徒会活動の取り組みとしてとりあげる。

 

2 学校におけるいじめの防止等に関する措置

 

 (1) いじめの未然防止について

 

     ・ 道徳・人権教育の研修を深め、道徳・人権教育を充実させる。

     ・ 情報モラル教育を行い、携帯電話、インターネット等でのいじめ問題の未然防止に努める。

     ・ いじめ問題に対する校内対策委員会として「教育相談いじめ問題対応部会」を設置し、組織的

      に取りくむ。

  

 (2) いじめの早期発見について

 

     ・ 授業だけでなく、登下校指導、昼食指導など、あらゆる場面で生徒と関わりをもち、小さな

      SOSも発見、対応できるよう心がける。

     ・ 「教育相談問診表」や「心とからだの健康チェック」をもとに、学期に一度の「教育相談」を

      行う。

     ・ 居場所づくりや、生徒からのサインを受信できる場所として「シェアルーム」を設置する。

   

 (3) 迅速な対応について

 

     ・ 学校がいじめを把握した場合、学校で抱え込むことなく、速やかに教育委員会に報告するとと

      もに、内容に応じて、関係機関(警察、県中央子ども家庭相談センター、 医療機関等)と適切に

      連携を図る。

     ・ 警察や児童相談所等との適切な連携を図るため、平素から、学校や教育委員会と関係機関の担

      当者の窓口交換や連絡会議の開催など、体制を構築する。

     ・ 教育相談の実施に当たり必要に応じて専門機関との連携を図り、学校以外の相談窓口について

      も児童生徒や保護者に適切に周知する。 

   

 (4) 組織及び体制について

 

   ① 教育相談いじめ対応部会

 

     いじめ対策校内委員会として校長・教頭・生徒指導主事、養護教諭、(当該学年主任、学級担任、

     SC、教育相談コーディネータ、特別支援コーディネータは必要に応じて)で組織する「教育相

     談いじめ対応部会」を設置し、いじめおよびいじめととらえるべき事象について対応を検討する。

 

   ② 生徒指導体制

     

    ・ 被害者の思いに立ち、担任・学年生指を中心に複数で対応し指導する。

    ・ 被害生徒を保護し、心身のケアを行なう。

    ・ 加害生徒については事実の確認と指導を行なう。

    ・ 被害生徒、加害生徒双方の保護者に来校を求め、謝罪や今後の生活について話し合う。

    ・ 教員間での報告・連絡・相談を確実に行なう。

    ・ 関係機関に報告を行ない、指導・助言をあおぐ。

 

   ③教育相談体制

 

    ・ 教育相談期間を各学期に設定し生徒理解と相互の信頼関係を築く。

    ・ スクールカウンセラーとの連携をはかる。

 

   ④外部機関及び地域との連携

 

     家庭での関係づくりと見守り

    ・ 家庭と学校との連携を強め、子どもの様子を把握する。

    ・ 保護者同士の交流を深める。

 

     いじめを見逃さない地域づくり

     ・ PTA、校区少年指導協議会等、学校の様子を交流しあったり、ふれあい行事や地域の行事へ

      の参加、双方向のボランティア活動の推進を通して、地域全体で子どもを見守る。

 

   ⑤校内研修

 

    ・ いじめの問題に対し、正しい共通認識及び適切な対処を行うため、いじめの問題への対処の在り

     方について、教職員間の共通理解を深め、いじめ事象を見過ごすことのないように努める。

    ・ いじめの問題の解決には一人一人の教職員の力量に期するところが極めて大きいことから、研修

     等を通して資質向上を図る。

    ・ 心理や福祉の専門家を活用し、教職員のカウンセリング能力等の向上を図ることや、福祉に繋ぐ

     知識を得るための校内研修等を充実させる。

 

 

3 重大事態への対処

 

 (1) 重大事態について(重大事態とは)

 

   ①「生命、心身又は財産に重大な被害」が生じた場合

    (いじめ防止対策推進法第28条第1項第1号に係る事態)

    ・ 児童生徒が自殺を企図した場合

    ・ 身体に重大な障害を負った場合

    ・ 金品等に重大な被害を被った場合

    ・ 精神症の疾患を発症した場合

         ※いじめを受けた児童生徒の状況に着目して判断する。

   

   ②「相当の期間」学校を欠席することを余儀なくされている場合

    (いじめ防止対策推進法第28条第1項第2号に係る事態)

     不登校の定義を踏まえ、年間30日を目安とする。ただし、児童生徒が一定期間、連続して欠席し

    ているような場合には、上記目安にかかわらず、市教育委員会又は学校の判断により、迅速に調査に

    着手することが必要である。

      ※ 児童生徒や保護者から、いじめられて重大事態に至ったという申立てがあったときは、重大

       事態が発生したものとして報告・調査等に当たる。

  

 (2) 重大事態への対処の方法について

    

    ☆ 重大事態の発生の報告

      重大事態が発生した場合、生徒指導主事、学校長より市教育委員会および市長へ事態の発生につ

     いて報告する。    

    

    ☆ 重大事態の調査

      重大事態に対処し、同種の事態の発生の防止のための調査を行う。その際、調査を行う主体や調

     査組織については市教育委員会の判断による。

      ① 学校主体の場合の調査組織 … 「教育相談いじめ対応部会」

      ② 市教育委員会主体の場合の調査組織 … 「奈良市いじめ調査委員会」

    

 (3) 調査結果の提供及び報告について

 

    ☆ 調査結果の提供

     ・ 学校は、いじめを受けた児童生徒やその保護者に対し、調査により明らかになった事実関係等

      について、必要な情報を提供する責任を有する。

     ・ 通報してきた児童生徒の人権や個人情報を守ることに留意する。

     ・ 情報提供にあたっては、適時適切な方法で、経過報告を行う。

 

    ☆ 調査結果の報告

     ・ 調査結果については、市長に報告する。いじめを受けた児童生徒やその保護者が希望する場合

      には、当該の児童生徒又はその保護者の所見をまとめた文書を報告書に添付する。

 

4 対応の流れ

    

事象の把握

〇 被害生徒、保護者、目撃生徒からの訴え

〇 アンケート結果、教育相談などから得た情報

被害生徒の安全確保

○ 被害生徒の身体的、精神的な安全を確保し、心

身の状態の確認を行う。

○ 加害者と被害者が接触したり、加害者が口裏合

わせをしないような措置を行う。

事象の連絡

○ 事象の報告を受けた者から学級担任へ連絡し、

学級担任から学年主任、生徒指導主事へ連絡する。

○ 生徒指導主事より、管理職へ報告後、「教育相

談いじめ問題対応部会」の招集を検討する。

※ 市教委への一次連絡も生徒指導主事で行う。

※ 部会で方針を検討した後、必要に応じて全教

職員に連絡する。

関係生徒への聞き取り

○ 当該学年担当教員を中心に被害生徒、加害生徒、

必要に応じてその他に関係する生徒に対し個別に

聴き取りを行う。

※ いつ、だれが、どのように、なにをした

※ 必ず記録を残す。

※ 指導は聴き取り、確認の後で。

○ 聞き取った情報を集約、事実確認を行う。

関係生徒への指導

○ 加害生徒、およびその他関係する生徒への指導

を行う。

※ 行為の悪質性や、どんな理由でもいじめは許

されないものであることを理解させる。

 ※ 行為に加担しなくても、取り巻きや同調も加

害に加担する行為であることを理解させる。

保護者への連絡

○ すべての関係生徒の保護者に対して事象、事実

確認の結果および指導について報告する。

謝罪の設定

○ 学校で被害、加害生徒および双方の保護者同席

のもとで謝罪が行えるよう設定、連絡する。

事後指導

○ 必要に応じて全体指導(学級、学年等)を行い、

再発防止の対策を行う。

事後報告

○ 全教職員に事象の報告を行う。

※ 市教委への報告は生徒指導主事で行う。

 

 

 

                                        令和元年6月 改訂